旅立った動物が教えてくれたことがまさかのあの時とつながった〜その2

旅立った子とのセッションをして気づいたことを書きとめておこうとあげた前回記事。

(前回記事はこちら→https://kentaro-garden.com/post-314)

長くなったので2つに分けた、後編です。(前後編で仕上がるのかしらんけど・笑)

東北大震災が起きた3.11。私はその直後の4月末に、震災ボランティアで石巻に入りました。

当時都内でアロマとレイキのヒーリングサロンをやっており、自分にできることを、ということでアロマオイルを持参していました。

公民館で長引く避難生活、被災、家族の捜索等々、そのときの被災者のみなさんはかなり疲労感も閉塞感もいっぱいで、なんともいえない空気感になっていました。

そんな中、アロマやってもいいよと現場のナースさんたちに声をかけていただいたので、場所をお借りしてアロマとクリスタルを使ったハンドヒーリングを、時間のゆるす限りやらせていただくことができました。

その中で受けてくださった、ひとりの男性。

その方はとても穏やかそうで、ニコニコしていました。

自分からハンドヒーリングを受けにきたのではなく、通りがかったところを看護師さんが“●●さん、ちょっとやってもらいなよ。やってもらった方がいいよ!”と結構強めに?すすめて、じゃあ、と来た方でした。

その方の前に、もう何十人もやっていましたので、その流れでふつうにその方の手をとり、和やかにお話をしながらアロマヒーリングを始めたところ。

その方の右手から、私に圧倒的な感情感覚がぶわーーーっと押し寄せてきて、私はその瞬間に爆発的に泣き出したのです。

それはもう号泣レベルでした。

震災直後ですから、みなさんそれぞれが本当に大変な状況下で、でもそれを出さないようにしてみんなが前を向こうと生活している空間です。

私も、絶対泣かない、と覚悟を決めて被災地入りしていました。

なのにもう止められるようなコントロールできるものではない、それこそ津波のような圧倒的な感情の波に、私はのみこまれました。

泣きながらも、手をマッサージしつつ、ご本人には謝りながら。

「すみません、泣かないようにしていたんですけど。感情が手から流れてきました。これは泣かせてもらった方がいいんだと思います、すみません」

その方は、それでも笑顔のまま。ありがとう、ありがとうね。自分が泣けないから、あなたが代わりに泣いてくれているんだね。そう言いました。

その方は、震災後 行方不明の奥様を探して、毎日遺体安置所を探し歩く日々を送っていたのでした。

そんな状況でも笑顔でいるから、気になっていたんだ、と看護師さんは言っていました。

震災追悼イベント、ゆめあかり

その後、半年くらいたった頃かな。

その方は、看護師さんに私の電話番号を聞いて、わざわざお電話をくださいました。

あの時、ぼくはウツから救われたんだよ。ありがとう。素晴らしいお仕事をされていますね。お礼が言いたくて電話番号を無理に聞いたんだよ。と。

そして笹かまぼこまで送ってくださいました。

かなり割愛しましたが、そんな出来事がありました。

旅立った子とのセッションで感じた感覚。

“悲しみ、苦しみ、寂しさ”という表現に変換したあの感覚。

それが3.11ボランティアで受けた、あの男性から流れてきた感覚と重なりました。

あぁ、あれは圧倒的な喪失感なんだ。

旅立った猫ちゃんと、あの男性の感覚は、“喪失感”、だった。

そうなんだ。あの感覚は、喪失感なんだ。あぁそうか。

悲しみ、苦しみ、孤独感、と表現するにはなにかが少しずつ違うような。

正確には表現しきれていなような。そんなほんとうに小さな違和感がずっと私の中に残っていました。

でも、そもそもエネルギーを言葉に変換する時点で、多少の誤差は必ず発生する、と私は思っているので、その違和感も仕方ないものとして、心の中にそっとしまわれていました。

あのエネルギーをそのまま言葉にあらわせたその時、私の中で未消化だったものがふわっと溶けて昇華しました。

きっとあの男性の中でも、あの猫の魂とそのとき寄りそった過去の飼い主さんの心も、ふわっとぱちっと、苦しみの泡がひとつはじけた瞬間だったと、なぜかそう感じました。

そうして経験したすべての感情は、ちゃんと見てあげると溶けて自分の一部になり、自分がまた少し、豊かになるんだと思います。

ちなみに気づきは一瞬で起こります。

文字に書くとこんなに長くなるけど、この一連のことが一瞬でパチっと起き、腑に落ちて、あぁそうか、となりました。

私の中で、今回の気づきはとても大きく深く、内側の変化を起こしたように感じたので、言葉にして整理しておこうと、書きました。

この地道な作業も、アニマルコミュニケーターとしての幅を広げ、深みを与えてくれるものと思います。

もはや自分がどの立ち位置で書いているのか不明ですが(笑)

過去の私と未来の私、そして今の私の3者協力で書いている感覚です。

自分の感覚、体の反応、言葉の選び方、ひとつひとつを、ていねいに扱う人でありたいと思います。

また動物に教えてもらいました。

ありがとう。

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