強くて弱くて、それで良い。

昨年から、
たまちゃんのお散歩は
車で5分ほどのところにある
大きな自然公園のようなところに
行くようになりました。

その公園は広くて、
小高い丘があって、
桜の木もたくさん植えてあり
散歩道も自然豊かでコースもいろいろ。

先代犬、犬太郎(けんたろう)が
そこの丘が大好きで
よく行っていました。

犬太郎の時に、
よくお会いしたことのある
飼い主さんと
久しぶりに出くわしました。

その初老の男性は、
当時はビションとアメコカの
2頭を連れていて
とても穏やかな方で
本当に犬が好きなんだなぁ、
というのが滲み出ている感じの方。

その日はビション一頭で
もうかなりのハイシニアになったんだなぁ、
という感じ。

「もう一頭は…?」

と聞くと、
2年前に旅立ったとのことでした。

そうだよね。
犬太郎が旅立ってまもなく
まる4年。

ビションちゃんがまだ生きていることが
すごいことだ。

もうすぐ18歳だとのこと。

でもしっかり自分の足で立ち、
歩き、
触ったら嫌がり(笑)
これは当時の気合い入った性格のままで
なんか微笑ましく、
相変わらず気合いの入った犬でした。

だから長生きなんだよねぇ。

その方は、
「この子いなくなったら、どうなっちゃうんだろうなぁ。」
と、呟きました。

「まだ娘がいるからいいけどさ…」

と。

家族構成や詳しい話などは
全然したことがないけれど
その方の生き様のようなものが
感じられました。

その後、
普段見かけない別の犬が遠くに見えました。

アメコカでした。

なんとなく近づき、お話しながら
犬と触れ合っていると
同じ犬種だからやっぱり思い出したようで
ビション連れの男性は
「やっぱりかわいいなぁ…
欲しくなっちゃうね」
と言いました。

同じ犬種、同じ形
同じ感触に
旅立った子の命の感覚がよみがえる。

愛おしさも、ありありと
あふれだす。

それによって、
「今はもういない」
ことが
よりはっきりと認識され
切なさと寂しさと
悲しさがこみあげる。

「でももう飼えないもんね。
私の歳だと。無理だよね。」
と言いながら、
笑っていた。

足元には、
気合いの入った
18歳のビションフリーゼの女の子。

飼い主のそんな思いに
まったく干渉せず、
ただ、そこに力強く生きている。

なんか、
とても美しい姿を見せられたと思った。

今いる愛犬がいなくなったら、
と未来を思い寂しくなり、
旅立った愛犬と同じ犬に触れ
その子の姿形やあたたかさが思い出されて
今ここにいない寂しさや悲しさ、
幸せだった時間が今はもうないことの
切なさ、
いろんな思いが一斉に心に湧き上がる。

それを、その方は
ただただ、感じていた。
自分でちゃんと、全部を
ひとつひとつ感じていた。

それに目を逸らし、
目の前の18歳の子に
愛を向けることでごまかすことは
まったくせずに、
ただひたすら、
込み上げる自分の思いを
感じている姿に
感動したのです。

強くて弱くて、
美しかった。

そんな飼い主の隣で、
犬は、ただそのまま
そばにいる。

飼い主の心が揺れていることも
すべてを感じた上で、
ブレているのではなく、
ただ美しく揺らいでいるだけなことを
知っていて
そのままの自分で
まっすぐに生きていた。

生きるって、
こういうことだな、と思った。

弱いのがダメなのではなく
強ければ良いのではなく
どちらもあることを
そのままちゃんと認めること。

この世界で生きるということは、
二極性の中で感じられる感情や感覚
体験から自分を知るということ。

シンプルにそれだけ。


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心が整う犬ごはんで
「飼い主軸®️」を育てる
飯村香織です。

寒いねぇ

旅立った子をふと思い出した時、
愛おしさと同時に
今ここにいない、という事実が
対局として強調されて
悲しさや寂しさが込み上げる。

それを感じるのが嫌だから、
苦しいから、と
無意識に
目の前に今いる犬に気持ちを向け、
愛情を注ぎ
ごまかそうとすることは
多くの人がやりがちなことです。

それが悪いわけではないけれど、
それをやっていると
自分が苦しくなる。

自分の命の循環が詰まるので、
周りもその不協和音の影響を受けたりもする。

ただ感じる、って
こういうことだよね、と
久しぶりにお会いした
その飼い主さんの姿から
感じることがたくさんあった。

ただ自分を許して
すべてを引き受けて生きている
その姿に触れただけで
私自身も許されていることが
あらためて感じられた。

こういうことなんだよなぁ。

と、静かに思いながら
車を運転しながら
思ったのでした。

この話を聞いて、
あなたの心には
何が沸き起こったでしょうか。

人の数だけ、
それぞれに違う思いがあって
それで良い。

それが、自分の個性です。

生きることは、
その自分の色や音を知る時間です。

知れば知るほど、
鮮やかで美しい彩りに
育っていく。

犬と共に、
色鮮やかに、生きよう。

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